一見恵 その笑顔が力になる

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インタビューVol.2  一見恵
リストラティブヨガ単元講座共同開発者/講師/静岡東部盛り上げ隊長 一見恵

気がつくと、いつも自分のことは後回し。
目の前の人の期待に応えなきゃと、真面目で頑張り屋の優等生を演じようと必死だった。
ときどき、頑張り過ぎて無理をしてしまったり、身動きがとれなくなってしまったり。
もっと自然にいられる心地よい関係をつくること。
それがヨガを通じて見えてきた、本当の私らしさでした。

一つのことに没頭すると周りが見えなくなるタイプ。
高校では陸上に打ち込み、
そのまま実業団チームに就職しました。
ところが、厳しい練習がたたって陸上を続けられなくなり断念。接客業へと転職。
新しい仕事にもすぐのめり込み、バリバリ仕事をこなしました。
ハードな日常にふと足が止まったとき、
果たして私は一生この仕事を続けられるのだろうか、という疑問を感じました。
目の前のことに全力を注いで生きてきたけれど、
この先もずっとずっと続けていけるような変わらないものってなんだろう。
仕事と生活以外の何かを求め、たどりついた先がヨガでした。

「なぜヨガに通うのか」とヨガを始めた私に尋ねる人がありました。
自分でもわからない。
言葉にできないけれど、
言葉にできないからこそ、
私にとって本当に必要なものが、そこにはあるような気がしていました。

ヨガの持つよさを深め、もっと人に伝えたい。
私はヨガセラピスト協会の門を叩きました。
仕事があって、生活があって、そしてヨガがあると思ってた。
でも、すべて分け隔てる必要がないということを学んだとき、
するりと心の中で解けた結び目。
規範を守る良い子と思われたい、仕事にプライベートを持ち込んではだめ、皆の期待に応える優
等生でいなきゃ。常識の鎖に縛られた私に、暁子先生はゆっくりと語りかけていってくれました。

ベストを尽くそうと思うあまりに、
曲がりくねった道をまっすぐ突き進もうとしていたのかもしれない。
人それぞれ道は違うのだから、遠回りしても大丈夫なんだ。
“歩みを委ねる”というヨガの教えを少しずつ理解していきました。

卒業後、たくさんの方々のご好意やご縁に恵まれ、
色々な場所でヨガレッスンを行う機会を頂いています。
浅間神社、職場の知人の両親が営む居酒屋の宴会場、
正蓮寺というお寺さん、接骨院、などなど。
一人の力で大勢の人の助けになれるほど、私は万能なんかじゃない。
でもだからこそ、目の前にいる人の力になりたくて、できることを精一杯やってきました。
その結果としてヨガレッスンをする場所があり、
通ってくれるたくさんの人がいるのだとしたら、
それはとても嬉しいことです。

ある時、婦人科系の悩みを抱える方々の通うヨガレッスンを開催する中で
「マタニティヨガをやって欲しい」という声が私の元に届きました。
興味はあるものの、ママになった経験がない私にはまだ早いと思っていました。
ヨガの先生だったら、全ての生徒さんの気持ちを理解出来てなきゃダメだ、
という思い込みがどこかにあったのかも。
でも、マタニティヨガを求める未来のママが居る。やるなら今しかない。
私は再び暁子先生の元に通い始めました。
今度は、マタニティヨガの養成講座とヨガレッスンの両方を並行して実施しました。
妊婦さんにヨガのポーズみたいな難しい動きをさせて大丈夫なの?
と思う方もいらっしゃいます。
私もはじめはそう思いました。それも私たちを縛る常識の一つでした。
もちろん、妊婦さんゆえの身体的特徴にあわせ、
気をつけなければならないことはありますが、
全てを禁止するのではなく妊婦さん自身ができることとできないことを
自分の感覚で見極めることが、ヨガ本来の役割です。

私のヨガレッスンに通ってくださる方は、
身体を動かすことを目的とされる方々ばかりではなく、
本当にいろんな方がいらっしゃいます。
別のレッスンでは、
親御さんの勧めで若い女性の方が参加してくださったことがありました。
彼女にとって初めてのヨガレッスンだったその日。
レッスンが始まっても、彼女はずっと下を向い
てばかり。
私は違和感を感じ、注意して彼女を見守ると、
彼女に必要なことは休息することと心に
寄り添ってあげることだ、
ということがわかりました。
そこで、すぐさま彼女だけ休むヨガにきり
かえました。
私のヨガレッスンでは無理をして皆と同じ様にする必要はありません。
それはかつて学んだ“歩みを委ねる”という考え方。
その後も彼女はヨガレッスンに通い続けてくださり、
暗闇に向けられていた視線は徐々に瑞々しさを取り戻していきました。
レッスンの後、彼女がつけていたノートを見せていただく機会がありました。
そこにはイラストつきで毎回のレッスン内容と私が話した言葉が細かに記録されていました。
言った当人の私も覚えていないような言葉までも。
ヨガというのはこんなにも深く、
相手の中に残るものであるということを改めて実感しました。

ヨガセラピストとして生活をするのは、正直大変なことも多いです。
今でこそ、人々が抱える悩みや苦しみに気づいたり、
表面的な言葉に流されず本当に心の中で求め
ている部分に
耳を傾けられるようになってきましたが、
それも、ヨガセラピスト協会で学んだこと
を意識し実践し続けてきた結果です。

もし、ヨガの先生になることに興味があるなら、
コンスタントにレッスンを開催することができな
くても、
月に一回、友達を集めてヨガの時間を作るだけでもいい、と私は思います。
ヨガをやりたい、と思った気持ちを大事にして、
もっと多くの人たちにもっと自分に素直になって
欲しい。
自分のペースで、ゆっくりと時間をかけながら、
心の奥で本当に望んでいることは何なの
か見極めること。
ヨガはそんな機会を私自身にも周囲の方にも与えてくれます。

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