宮原暁子/よがのひとAKiko   声なき声に
耳を傾けて

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インタビューVol.1
宮原暁子/よがのひとAKiko
代表理事/養成講座開発者/講師 
代官山のヨガスタジオyogajayaにて、ハタヨガ、呼吸法・瞑想というクラシカルスタイルから、パワーヨガクラスインストラクター及び、ジャヤチキッサ=アーユルヴェーダコンサルを務めつつ、恵比寿ヨガスタジオprana powerにて、ファミリーヨガインストラクターに従事。のち無二の同志と
ヨガとアーユルヴェーダサロン経営を経て
ヨガセラピスト協会設立。
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わらう、なく、おこる、いつくしむ。渇き、満たされ、息をし、いのちを愛するということ。
大いなるちからに生かされているという、奇跡。
今を、生きている喜び。どんなに強く風が吹いても、
どんなに激しい流れに巻き込まれそうになっても、私がここに立ち続けていられるのは、
たくさんの“愛”を感じているから。
 
言葉では説明できない、大いなるちからに生かされていることに
気付かせてくれたのは、母でした。「夢で、あなたの涙を見たの」私が辛いとき、悲しいとき、寂しいとき。
遠くにいてそれまでやり取りがなくても、決まってふいに連絡をくれる母。網の目のようにつながる私たちの存在が、響き合うその音の中に、母はいつもいる。母の瞳には、どこか不思議で温かな光がある。
いのちの尊さを、純粋に生きる喜びを
教えてくれたのは、父でした。子どもの頃、私は、言いました。「青虫は蝶になるために、たくさん食べて、蛹になる。
いのちって、すごい」父は、言いました。「青虫や蛹は“蝶になるため”に生きているのだろうか。もし、蛹が蝶になれなかったなら、
その命には意味がないのかな」何かとても大切なメッセージを、受け取った気がした。私たちは、いつか、なにか、になるために
生きているんじゃない。今、この瞬間を生きるためにここにいるんだ。厳格で、現実的で、鋭い父の胸の奥には、
いつも強くて優しいぬくもりがある。
そんな、目に見えないそんざいをも信じる母と、目の前の現実を信じる父とは、
意見が食い違うこともしばしばありました。でも、考え方の違いを超えて二人は通じ合っている。
たくさんの愛情に満ちている。二人のその想いは、深く、私の中に刻まれています。
強い世界観を持つ人に囲まれ、そして世界観を超えた愛情に育まれ、私は全ての思想を受け入れたかった。考えることはどんどん大きくなっていき、大学では国際政治経済学部というところで日本や世界の社会問題を論じようとしていました。立派な経済思想、高尚な世界平和理念、多様な歴史認識。激しく巨大なうねりに、
ときに立ち向かい、ときに飲み込まれ、
多くの思想を学びました。
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たくさんの源流を語る言葉を経て私が手にしたのは、日常のささいな出来事を語る言葉でした。日々の暮らしをどう生きるかという、当たり前だけれど大切なこと。この両手で掴むことのできる世界。すべてはそこに繋がっていきました。
ヨガとの出逢いは幼い頃でしたが、本格的にその強い世界観の扉を開いたのは、娘を授かり、自分も母親になってから。出産直後から、単身赴任で不在の夫との家庭の中、未だ若く、
周りに相談のできる人がいなかった中、私と子供のいる空間だけ
チョキチョキとハサミで切り離されてしまったような、孤独や、、、
そんな時、ヨガと瞑想の時間が自分の確かな支えとなってくれました。ただ、眺めること。
人や自分の動き、言葉、態度、
空気、音、色、光、感情、体温、呼吸、心臓の音、
湧いてくる想念。
どんな瞬間も、ただ眺めるよう心がけているだけで、気づけば、自分自身をからめとっていた囚われはクリアになっていき、私の周りにあるような気がしていた輪郭が薄れ、周囲との隔たりを感じなくなり、むしろ、繋がりを確かに感じられるようになっていきました。
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ヨガの起源は紀元前のインドにあると言われています。呼吸を整えて瞑想の世界に入るということは、経験するまでは理解が難しいかもしれません。だからと言ってヨガは、曖昧なものでも、実体のない虚構でもありません。現代医学や生理学、脳科学的にも呼吸や瞑想が私たちの脳神経に影響を与え、神経伝達物質の放出を促し、様々な生理活動を引き起こすことが証明されています。例えば、ヨガの呼吸を通じて自律神経のバランスを整えることでセロトニンという
物質が放出されることが知られています。まるで、母の愛情で全身をつつまれていた
おさない頃、家族に囲まれ過ごした安心感にとてもよく似た感覚。それだけでなく、現在では未だ解明されていない、プラーナや微細なエネルギー
経路ナーディ、その他概念についても、紐解かれていく日がくると、
ヨガや瞑想の深まりの中、全身で感じています。
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都内スタジオでのヨガのインストラクターを経て、サロンをオープン。ヨガセラピストの養成講座も開設しました。本当に良き縁に恵まれての、楽しくて仕方ないこと満載の日々でしたが、静かに眺めることを楽しむ力を付けるに連れ、より繊細な表情を見せてくれる自然の恵み豊かで、それでいてちょっとした都会もある横須賀に移り、それまで恵比寿にあったヨガサロンは閉じ、ヨガセラピスト協会を立ち上げました。
養成講座では、ヨガの哲学を根幹においておりますが、人それぞれの段階、ブーミカと、実践、アディカーラを大切にしているため、他のスタジオの様にヨガ哲学の決まった教科書、は使わないことがほとんどです。インド神話が伝えてくれる、複雑で多面的な繋がり、複数のパラドックスを、わたしたちひとりひとりが内包し生きている。深遠な神話を直感的に理解していく様に、わたしたちは自分の中にながれる様々なストーリーにこそ耳と心を傾け、手を当て確かめ、なき、わらい、いかり、それらをただ、味わいつくし、さすり、癒し、とらわれから自由になっていく道を、一緒に歩めればと願っています。
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