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インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」とは? その特徴を解説!

インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」とは? その特徴を解説!

インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」をご存じですか? アーユルヴェーダは、インド半島において伝統的に発展してきた医学であり、古代インドにおけるヴェーダ哲学をルーツとするヨガとも密接な関係にあります。日本では健康意識や美容意識などの高まりと共にヨガがブームとなっていますが、アーユルヴェーダを取り入れることで更なる健康への働きが期待されています。この記事では、アーユルヴェーダとは何か、ヨガとの関係など、その効果も交えて解説していきます。

インドで伝統的に発展してきた世界三大伝統医学の一つ

「アーユルヴェーダ」とは一体何なのでしょうか? アーユルヴェーダとは、インド亜大陸において伝統的に発展してきた医学のことで、中国医学、ギリシャ・アラビア医学(ユナニ医学)と共に世界三大伝統医学の一つと言われています。

現代日本において一般的に行われている「医療」はいわゆる西洋医学であり、近現代に体系化された先端的な医療を我々は享受しています。アーユルヴェーダは伝統医学ですから、そうした先端的な医学とは性格を異にします。日本に古くから東洋医学が根付いているように、インドにも伝統医学というものがあり、それがアーユルヴェーダでというわけです。

その体系化は紀元前5~6世紀頃とされていて、非常に古くから存在することがわかります。インドは立地的に見てもイスラム圏との関わりが深く、イスラム勢力の拡大と共にギリシャ・アラビアに端を発するユナニ医学の隆盛が強まっていきました。特にムガル帝国(トルコ系のイスラム王朝)の時代にはユナニ医学が最高潮に達し、そうした時代の流れと共にアーユルヴェーダは衰退していきました。

しかし20世紀初頭にイギリスがインドを支配すると、イギリスの支配に対抗する国粋主義者や欧米におけるオリエンタリストによってアーユルヴェーダは伝統医学として再復興の道を辿り、西洋近代医学と補完関係を築くように制度的にも整えられていくことになりました。

「より善い人生」を最終目的とする、哲学要素も色濃い医学

アーユルヴェーダの目的は他の医学と特異とするところが、哲学的な要素を多分に含んでいるということです。アーユルヴェーダとは、サンスクリット語で「寿命、生命、生気」の意を含む「アーユス」と、学・知識を意味する「ヴェーダ」が組み合わさったもので、医療の目的である病気の治療のみならず、生命に刻まれた知恵や生命科学、哲学の概念を多分に含み、その最終目的は「より善い人生」であると言われています。そもそも、近年では、心身症などの分野から医学的にも見直され、研究を進められていることですが、”身体は心の影響を多分に受ける”、ということをアーユルヴェーダでは元来見極めていたので、心の在り方、に対して無視することはできない、と考えたのです。

健康の維持増進、アンチエイジング、幸福な人生の追求から、ちょっとした生活の知恵に至るまで、さまざまな概念の複合体となっていることが他にはない特色となっています。

アーユルヴェーダの根本理論「トリ・ドーシャ」とは?

アーユルヴェーダにおいては、人には「ドーシャ」と呼ばれる生命エネルギーが備わっているとされ、そのドーシャは、「ヴァータ(風)」「ピッタ(火)」「カパ(地)」と3つのタイプ(トリ・ドーシャ)に分けられます。アーユルヴェーダでは、この3種類それぞれの性質のバランスが崩れると人は病気をする、と考えられています。

「ヴァータ」は風のエネルギーであり、「空」と「風」の元素を持っています。ヴァータの性質を持つ人は、痩せ型で肩幅が小さく、極端に背が低いか、高いと言われています。

「ピッタ」は火のエネルギーで、「火」と「水」の元素を持ち、ピッタの体質を持つ人は中肉中背で標準的な体型をしており、寒さに強く暑さに弱いとされます。

「カパ」は水のエネルギーであり、「水」と「地」のエネルギー。カパ体質の人は体格ががっちりしており持久力に優れ、太りやすいという特徴があるとされています。

アーユルヴェーダでは、自分がこうした3種類の性質のどれに当てはまるのか、或いは、どの程度複合されているのか、を把握することで、不必要に他人を羨んだり、妬んだりすることなく、自分の性質にあった自身との向き合い方、人生設計を整えようという意図があります。無闇に他人と比較しない、ということもまた「より善い人生」につながるというわけです。

アーユルヴェーダとヨガ:組み合わせることでより快適な身体作りが可能に

アーユルヴェーダという言葉を聞くとき、現代では主にヨガの文脈で語られることが多いです。アーユルヴェーダもヨガも、古代インドのヴェーダ哲学から発展を遂げたものである点で共通点があります。

アーユルヴェーダでは先述の3つの性質の考え方にもあった通り、「全体のバランス」を健康の指標としており、特に肉体、精神、魂、この3つのバランスを整えることが最重要視されています。そしてヨガでは、主に精神を安定させ浄化する「アーサナ(姿勢)」、「プラーナヤーマ(呼吸法)」によって心身のバランスを整えることが特徴的です。

また、精神統一を深めやすい「陰のヨガ」に加え、フィットネス要素のある身体を動かし汗をかくヨガ「陽のヨガ」も組み合わせて、心身の健康増進を目指します。そして本来のヨガの目的は「解脱」であり、それは輪廻の運命から解き放たれることで自己をより高次元に昇華させるということです。

現代のヨガは本来のヨガとは目的が若干変わっていますが、現代のヨガとアーユルヴェーダは目指すところが同じであり(心身の健康と、その結果としてのより善い人生)アプローチの違いによって相互補完的な働きを発揮すると言われています。

アーユルヴェーダは生活全般の知恵によって健康で長生きできる身体作りを目指します。アーユルヴェーダは「体内時計」の概念をはじめ一日の生活リズムを整えることで心身の正常化を図り、ヨガでは心身の深い安定を図ります。この2つを組み合わせることで、生活全般がより善く、素晴らしいものとなるのです。

まとめ

ヨガもアーユルヴェーダもおよそ5000年に及ぶ長い歴史があり、それぞれの思想や特色を効果的に取り入れることで、より快適で素晴らしい人生を歩むことができるはずです。

「一般社団法人ヨガセラピスト協会」では、アーユルヴェーダの思想を取り入れたヨガインストラクターの養成講座を開いています。当協会ではヨガとアーユルヴェーダを組み合わせることでより効果的な心身の健康増進を目指していこうという理念のもと活動しております。サロンやヨガ教室もあり、ヨガ講座も積極的に開催しています。拠点は神奈川・東京・静岡・福島・愛知ですが、合宿形式での講座も用意していますので、遠方の方もぜひお越しください。